これまで2回にわたり、Kisobi「ロジカル・ライティング研修」の内容から抜粋し、論理表現力の基本概念である「メッセージ」について、ご紹介してきました。
1.メッセージの定義
2.メッセージの種類
3.(メッセージの)ピラミッド構造
「1.メッセージの定義」では、
メッセージは「主語と述語の明確な表現(文)」である
こと、
「2.メッセージの種類」では、
メッセージは「記述」「評価」「規範」の3種類に分けられる
ことを説明しました。
今回は、締めくくりに、論理的にメッセージを組み立てる方法として「3.(メッセージの)ピラミッド構造」をご紹介します。
「1.メッセージの定義」で、「文書の作成は部品としてのメッセージを組み合わせる作業」と説明しました。
個別の部品(メッセージ)は、組み立てなければ一つの形(文書)になりません。また、適当に組み立てても、「論理的な文書」にはなりません。
論理的に作成するために、「文書の設計図」を作りましょう。その設計図を作るのに有効な方法が「ピラミッド構造」です。
「ピラミッド構造」は、別名「論理ピラミッド」とも呼ばれ、以下のようなメリットがあります。
・全体の論理構成を視覚的に俯瞰できると同時に細部の確認ができる
・階層別のメッセージを横並びに整合性を比較できる
ビジネス・コミュニケーションをデザインする上で、非常に有効な方法であるため、コンサルタントの必須スキルとも言われているようです。
では、詳しく見ていきましょう。
【メッセージのピラミッド構造】 1/3
(解説:ヘンリー高杉 1分44秒)
<内容>
・ピラミッド構造の説明
文書の設計図を作るには、「ピラミッド構造」という図式がオススメです。
一番上に、最も伝えたい「メインメッセージ」を持ってきます。その下に、鍵となる「キーメッセージ」、そしてもう一階層「サブメッセージ」。3階層程度で、自分の言いたい事を階層化してまとめるのが基本です。
「ピラミッド構造」の作り方には、底辺から積み上げる「ボトムアップ法」と、頂点から分解していく「トップダウン法」の2種類があります。
<動画スライド>
【メッセージのピラミッド構造】 2/3
(解説:ヘンリー高杉 1分54秒)
<内容>
・ボトムアップ法
ボトムアップ法は、多くの人が日常的によく行っているアプローチです。
そのプロセスは、以下の通りです。
1)材料集めとして、「サブメッセージ」を集めたり作ったりします
2)集めた「サブメッセージ」をテーマ別のグループに分けます
3)グループ毎に、テーマを反映した次の階層(「キー」)のメッセージを考えます
4)「キーメッセージ」を基に、「メインメッセージ」を考えます
<動画スライド>
【メッセージのピラミッド構造】 3/3
(解説:ヘンリー高杉 1分47秒)
<内容>
・トップダウン法
トップダウン法は、「メインメッセージ」が分かっている場合に、そこから下の階層に分解していく方法です。ボトムアップ法で導き出された「メッセージ」を検証する場合にも使えます。
「ピラミッド構造」で重要なのは、「キー」の階層です。「キーメッセージ」は、全体の流れを構成する柱となる部分ですので、メッセージの「モレ」や「ダブり」が無いようにしましょう。
<動画スライド>
以上、3回にわたり、「ロジカル・ライティング研修」の内容から、論理表現力の基本概念である「メッセージ」についてご紹介しました。
これらの内容について、もっと詳しく知りたい方は、Kisobiコンテンツプロデューサー高杉尚孝の著書「論理表現力」をご参照ください。
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