早いものでもう師走に入りました。
年末年始は、仕事もプライベートも何かと気ぜわしい時期ですね。
ストレスも溜まりがちな時期といえます。
ストレスとは、身の回りに起こるストレッサーに対しての私たちの反応を言います。
例えば、年末にむけての営業目標の達成が難しそうだという「ストレッサー」に対して、強い不安感という「ストレス」を覚えるかもしれません。
実は、ストレスにもよいものと悪いものがあるのをご存知でしょうか?
コレステロールではないのですが、善玉ストレス反応と悪玉ストレス反応があるのです。
悪玉ストレスは、私たちを後ろ向きの行動に駆り立てるのみならず、体にもよくありません。他方、善玉ストレスは、前向き行動につながりやすいことに加え、体にも優しいのです。
ストレスというと漠然としていますが、私たちのストレスは「感情」として現れます。ですので、ストレスの善し悪しを、実は感情の善し悪しとして捉えることができるのです。
感情には、大きく分けてプラス感情とマイナス感情があることをご存知でしょう。
しかし、ほとんど知られていないのですが、マイナス感情には悪玉と善玉があるのです。
私の専門にしている理性感情行動心理学(Rational Emotive Behavior Psychology)は、適切なマイナス感情と不適切なマイナス感情とに区別しています。
ここでいう善玉ストレスとは、適切なマイナス感情を伴うストレスを指し、他方、悪玉ストレスとは、不適切なマイナス感情をともなうストレスを指します。
代表的な不適切なマイナス感情に、
「不安」
「怒り」
「落ち込み」
「罪悪感」
が挙げられます。
なぜこれらが不適切なマイナス感情かといえば、これらが状況を悪化させる後ろ向きの行動につながりやすいからです。
「不安」は「逃避」に、「怒り」は「攻撃」に、「落ち込み」は「閉じこもりに」、「罪悪感」は「自己蔑視」につながりやすいのです。
どれも状況を悪化させる方に向かう行動です。
同時に、これらの不適切なマイナス感情は、体にも悪影響を及ぼします。
「不安」や「怒り」は、交感神経の向上もたらすため、高血圧や不眠などを招きやすくなります。
他方、「落ち込み」や「罪悪感」は、副交感神経系の背側迷走神経の向上をもらたすため、食欲減退や疲労感などを覚えやすくなります。
変わって、代表的な適切なマイナス感情に、
「心配」
「不愉快さ」
「悲しみ」
「呵責(呵責)」
が挙げられます。
なぜこれらが適切なマイナス感情かといえば、これらが状況を改善させる前向きの行動につながりやすいからです。
「心配」は「準備」に、「不愉快さ」は「交渉」に、「悲しみ」は「分ち合い」に、「呵責」は「反省」につながりやすいのです。
どれも状況を改善する方に向かう行動です。
さらに、これらの適切なマイナス感情は、体に優しい感情です。
副交感神経系の腹側迷走神経の活性化を通して、代謝をうまく制御してくれます。
適切なマイナス感情は、ストレッサーの多いプレッシャー状況における「平常心」と言えます。
同じストレッサーに直面しても、ストレス反応は人それぞれです。
適切なマイナス感情を伴うよいストレス反応ができるように日頃からトレーニングしておくとよいでしょう。
高杉尚孝(REBTスーパーバイザー心理セラピスト)
by 高杉尚孝(たかすぎひさたか)
高杉事務所へのお問い合わせはtakasugisoken.comへ
<参考書籍>
実践・プレッシャー管理のセオリー ~ビジネスパーソン必修 メンタル・タフネス強化のセルフ・コーチング術(高杉尚孝著)
- 職場のコミュニケーションをよくする「ストレス軽減思考法」 - 2015年6月13日
- 【英語の丁寧表現】状況に応じて使い分けてみよう! - 2014年8月7日
- 英語の上達法【レシテーション】(暗唱法) - 2014年7月8日