日本語と比べると、英語は圧倒的に子音(consonants)に依存した言語です。
前回は、parkのpのような破裂音(plosive sounds)について紹介しました。
今回は、摩擦音(fricative sounds)の発音の解説をします。
foot, very, those, sea, zero, shipなどに含まれる子音です。
口の中の隙間で、息をこするようにして音を作ります。
調音俯瞰図を上から下に降りていきます。
今回は、摩擦音(fricative sounds)を上から下に紹介します。
調音の俯瞰図
本日の内容の動画
摩擦音の解説1/2(3:46)
footやveryの唇歯摩擦音
まずは、「唇(しん)音(labial consonants)」の中にある「唇歯(しんし)摩擦音(labiodental fricative consonants)」
からです。
下唇を前歯の下に付けながら、複式呼吸によって、強く息を吐き出します。
声帯(vocal cords)使わない無声音ですと、foot, fun, far, forkなどのfです。
声帯を使う有声音ですと、very, vanish, violin, visionなどのv。
頭蓋骨に響く音です。
これらが最後に来る発音の練習も大事です。
無声音(non-voiced)であれば、off, tough, rough, stiff。
有声音(voiced)ですと、drive, dive, love, haveなどで練習してください。
くれぐれも、最後に、ウという母音を付けないように気をつけてください。オフ、ラフ、ドライブにならないように。
theoryやthoseの歯(は)摩擦音
調音俯瞰図を下って行くと、
舌の先を使う「舌頂音(coronal consonants)」の中に、
「歯(は)摩擦音(dental fricative consonants)」
が出てきます。
こちらは外に出した舌を引き込ませながら出す子音です。
無声音ですと、theory, thin, thank, throwなどのthです。
有声音ですと、those, them, this, these などのth。
母音を伴わない、子音のみの発音練習には、無声音であれば、bath, both, wealth, teeth
有声ですと、breathe, loatheなどで練習すると良いでしょう。
この音が最後に来る場合には、舌を出しっぱなしにします。
摩擦音の解説2/2(4:29)
seaやzeroの歯茎摩擦音
舌の先を使う「舌頂音(coronal consonants)」の中に、次に、「歯茎(しけい)摩擦音(alveolar fricative consonants)」が出てきます。
舌の先を前歯の下の歯茎に当てながら、息をこすりながら出す子音です。
無声音ですと、sea, song, sad, Sundayなどのsです。日本語のサシスセソのsに近い音です。ただし、これも英語の場合は日本語より強めに発声します。
有声音ですと、zero, zinc, zebra などのz。
頭蓋骨に響く音です。
子音のみの発音練習には、無声音であれば、lease, peace, ace, ice
有声音ですと、is, dose, pose, size
などで練習すると良いでしょう。
最後に、ウという母音を付けないように気をつけてください。イズ、ダズ、ポーズ、サイズにならないように。
shipやjoyの歯茎摩擦音
次に、「後部歯茎(しけい)摩擦音(post-alveolar fricative consonants)」が出てきます。
舌の先をどこにも付けず、息をこすりながら出す子音です。
無声音ですと、ship, sharp, shop, sugarなどのshです。
摩擦音に似た音に、「破擦音(affricative sounds)」があります。
摩擦音と破裂音の両方の属性を持っています。
chip, change, charge, choreなどのchという音です。
有声音になると、摩擦音と破擦音はほぼ同じ発音になります。
joy, jeep, joke, jetのjの音です。
母音を伴わない、子音のみの発音練習には、摩擦音の無声音であれば、dash, cash, dish, ash
破擦音の無声音であれば、peach, beach, reach, search
有声音ですと、siege, sage, gauge, rage
などで練習してください。
happyやhaveの声門摩擦音
俯瞰図の一番下に、喉に近い舌の根元から音を出す「咽喉音 (radical consonants)」があります。
英語の場合は、「声門摩擦音 (glottal fricative consonants)」になります。
英語では無声音のみで、これらは、happy, have, house, hurryなどのhです。 複式呼吸で、お腹から強く息を出すのが重要です。
今回は、子音(consonants)の中の、摩擦音(fricative sounds)の発音を解説しました。
by 高杉尚孝(たかすぎひさたか)
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