会計は苦手だ、興味ない、よく分からん、というビジネスパーソンも多いと思います。研修や自分で書籍で学ぼうとして、耳慣れない言葉のオンパレードで苦手意識を持った、という声もよく聞きます。
実をいうと、私自身がそうでした。
今は、会社組織のリーダーという立場にもなり、会計について一通りの理解はできるようになりました。会計の専門家とは違う視点で、会計・財務を面白いと思えるようになりました。
どうすれば、苦手意識を持たずに、会計スキルを身につけられるのか…
Kisobiのビジネス基礎力で「会計・財務」スキルを採り上げるにあたり、一般ビジネスパーソンは、どのように学ぶとよいか、そのポイントをお話していきます。
一般論ではないかもしれませんが、個人的な見解として参考にしていただければ、と思います。
本当にビジネスパーソンに会計は必要なのか?
経理や財務部門などの方は別として、一般社員の方が直接「会計」に触れることは少ないでしょう。
私は、ソフトウェアエンジニアとして社会人生活をスタートしました。
仕事で会計のことやお金を扱うことはなかったので、自分の専門スキルを高めること以外、全く興味・関心がありませんでした。日経新聞には目を通すようになりましたが。
恐らくですが、特に技術職の場合、ある程度の年次や役職になっても、業務で会計スキルが必要になることは少ないと思います。
一方で、会社の階層別研修や、MBA・経営学の講座などでも、会計は必須科目として組まれていたりします。
なぜこんな面倒なものを学ばないといけないかというと、答えは簡単で「経営に必要だから」です。
経営なんて自分には関係ない?
「経営」というと、社長や役員を想像されるかもしれませんが、そうではありません。
一般に管理職になれば、「経営」の視点を持つことを求められます。
実際に会計の必要性を感じ始めるのは、何かの組織の責任者(リーダー)として「事業計画立案」や「予算管理」の役割を与えられた時ではないでしょうか。
「自分は、絶対に管理職にもならないし、責任者にもならない!」と宣言できる人は、会計を知らなくても大丈夫だと思います。
それ以外の人は、必ずいつか、必要になります。知らなくても知っているふりをして、やり過ごすことは可能ですが(笑)
会計はどう学ぶとよいのか?
いずれ経営に関わるためには、会計や財務の考え方をきちんと身につける必要があります。
経理の簿記や財務のテクニックを熟知する、という意味ではありません。それらは、専門家がいれば大丈夫です。
経営に必要なのは、その専門家と対等に話すための基本的な用語や考え方の理解や、会計や財務を自分の業務や会社、業界などと関連させて語れるようになることです。
自ら「経営」視点の必要性を感じた人は、会計そのものの勉強から始めてもよいです。
会社の研修の受講機会を待つのではなく、自分で会計入門書を手に取ったり、社外のセミナーや通信講座などを受けて、早めにきっかけを作ったほうがよいでしょう。
まだ、とりあえず「会計スキルは必要だな〜」くらいの感じ方の場合は、いわゆる「会計本」はオススメしません。
たぶん、途中で嫌になります。
書店に並んでいる会計の本をみると、簡単に理解できそうなタイトルがついているものも多いですが、大半は会計士や経理の専門家が書かれたもので、工夫はされているものの、やはり取っ付きにくい。
なぜ取っ付きにくいかというと、会計の考え方や用語自体が独特のものだから、ということもあります。
これをどんなに分かりやすく解説しようとしても限界があります。抽象化し過ぎて、かえって本質が分かりにくくなるかもしれません。
ただ、たとえ内容が難しいものでも、本人が必要性を感じたり、強い興味を抱いていれば、理解できるはずです。
私は、会計・財務を本当の意味で理解するには、「経営(ビジネス)に関心を持つ」ことが必要だと考えています。
会計や財務は、経営を行うための道具(ツール)ですから、その使い方だけを学んでも面白くないでしょう。
専門職の方は違うかもしれませんが、本来は専門の方も経営に興味を持っているべきです。そうでないと、会計を理解している経営者のパートナーにはなれません。
したがって、会計を学ぶ前に、「経営(ビジネス)」に興味を持つような学びをすることが大切ではないかと思います。
- ビジネスモデルが会計の数字を決める(後編)|大津広一氏インタビュー - 2014年11月4日
- ビジネスモデルが会計の数字を決める(前編)|大津広一氏インタビュー - 2014年10月30日
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