プレゼンテーションでは、スライドを使って発表するスタイルが一般的です。ちょっと古い話ですが、パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトが登場する前から、OHPやスライド映写機を使った発表は行われていましたので、伝統的なプレゼンスタイルとも言えるでしょう。
では、スライドはどうやって作ればよいのでしょうか?
パワーポイントには、多くのスライドテンプレートが付いていますし、独自のテンプレートを用意している会社も多いでしょう。
そのテンプレートを埋めていけば、見た目上は簡単にスライドが出来上がります。
ただ、多くのテンプレートは、見た目のデザインを提供しているだけであって、どこに何を書くべきかは、詳しくは教えてくれません。
相手に伝わるプレゼンテーションを作るには、スライドのどこに何を書いていくのかが、非常に重要です。
Kisobiでは、総合的なビジネス技能としてのプレゼンテーション技術を身につける「プレゼンテーション研修」を提供しています。その中で、「スライド」作成についても採り上げています。
これから3回にわたり、研修内容の一部を動画で紹介し、1枚のスライドをどう「デザイン」するのか、どういう順序で「説明」するのか、について解説していきます。
ちなみに、ここでの「デザイン」は、どのように「メッセージ」を配置するかなどのページ構成デザインであり、配色やフォント等のビジュアルデザインは含みません。それらの説明は別の機会に譲ります。
<紹介予定内容>
1.スライドの基本デザイン
2.図表スライドの基本デザイン
3.スライド説明の順序
スライドのデザインは、大別すると「文字」中心のもの、「図表」中心のもの、「図表」と「文字」を組み合わせたものに分かれます。今回は、まずはじめに「文字」を中心とした「スライドの基本デザイン」をご紹介します。(動画は2本です)
【スライドの基本デザイン】 1/2
(解説:高杉尚孝 2分44秒)
<内容>
・スライドに入れるべき3つの要素
3つの要素とは、
「見出しメッセージ」
(最上部に入れる、このページで伝えたいメッセージ。2行以内の「文」)
「テーマ(タイトル)」
(見出しメッセージの下に入れる、そのページの内容表すラベル。「名詞句」)
「サポート・メッセージ」
(見出しメッセージを支える中身となる「文」)
です。
・サポート・メッセージ
サポート・メッセージの数は、基本3つ。多くて5つに収めましょう。
また、その並びが、「並列」なのか、上から下に流れて続く「直列」なのか、を意識する必要があります。「直列」の場合は、前後のつながりをわかりやすくするため、文頭に「なぜならば」「したがって」のような的確な「接続語」を入れるようにします。
<動画スライド>(1/2,2/2共通)
【スライドの基本デザイン】 2/2
(解説:高杉尚孝 3分7秒)
<内容>
・サポート・メッセージ(続き)
「並列」の場合には、必ずしも接続語は必要ではありません。
「直列」の場合は、一番最後のメッセージが、「見出しメッセージ」とだいたい同じ内容になるようデザインしましょう。
・「見出しメッセージ」の位置
「伝えたいことを上に持ってくる」という主旨から、「見出しメッセージ」は一番上に配置します。パワーポイントのテンプレートでは、一番上に「テーマ」を入れるようになっているものが多いですが、あくまでもテンプレートなので、順番を変えても問題はありません。
もし、会社のフォーマットで、一番上は「テーマ」を決められている場合には、まず「テーマ」、すぐその下に「見出しメッセージ」を持ってきても構いません。
伝えたい事はなるべく上のほうに、配置するよう心がけましょう。
次回は、「図表スライドの基本デザイン」をご紹介します。
動画&スライド by 高杉尚孝(たかすぎひさたか)
高杉事務所へのお問い合わせはtakasugisoken.comへ
参考書籍
実践・プレゼンテーションのセオリー―Goサインを引き出す究極のテクニック(高杉尚孝)
日本だけでなくグローバルに使えるプレゼンの仕方やスライドの構成を紹介しています。
- ビジネスモデルが会計の数字を決める(後編)|大津広一氏インタビュー - 2014年11月4日
- ビジネスモデルが会計の数字を決める(前編)|大津広一氏インタビュー - 2014年10月30日
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